臨床成績〔APOLITOS試験 有効性〕
国際共同第II相試験:APOLITOS試験 コアパート 主要評価項目
1スキャンあたりのGd造影T1病変数(投与24週後まで)
日本人を含む再発を伴う多発性硬化症患者において、投与24週後まで(MRI評価時点:12、16、20、24週目)の1スキャンあたりのガドリニウム(Gd)造影T1病変数(調整済平均値)は、プラセボ群の1.0413個に対し、ケシンプタ群では0.0670個と、2群間で有意差が認められ(p<0.001、対数リンクによる負の二項回帰モデル)、病変数の減少率は93.6%でした。
1スキャンあたりのGd造影T1病変数(投与24週後まで)(FAS)
社内資料:国際共同第II相試験(G1301試験)[承認時評価資料]
国際共同第II相試験: APOLITOS試験 コアパート 主要評価項目 サブグループ解析(地域間の一貫性)
地域別にみた1スキャンあたりのGd造影T1病変数
ケシンプタ群のプラセボ群に対するGd造影T1病変数の比が、日本人患者では0.136[95%信頼区間:0.036-0.513]、海外の患者では0.000[0.000-0.000]と、いずれの地域でも病変数の比が1未満であったことから、ケシンプタ群のGd造影T1病変の抑制効果について、事前に定義した地域間の一貫性が示されました。
地域別にみた1スキャンあたりのGd造影T1病変数(FAS)
対数リンクによる負の二項回帰モデル
〔投与群、地域(日本または海外)、投与群と地域の交互作用、ベースラインのGd造影T1病変数(0または1以上)を要因、 Gd造影T1病変の累積数を反応変数、MRIスキャン回数の自然対数をオフセット変数とした〕
いずれの地域でも、病変数の比が1未満の場合に、「治療効果が地域間で一貫している」と定義した。
社内資料:国際共同第II相試験(G1301試験)[承認時評価資料]
国際共同第II相試験: APOLITOS試験 コアパート 副次評価項目
年間の新規または拡大T2病変数
日本人を含む再発を伴う多発性硬化症患者において、年間の新規または拡大T2病変数(調整済平均値)は、プラセボ群の13.1533個に対し、ケシンプタ群では3.7344個と2群間で有意差が認められ(p=0.002、対数リンクによる負の二項回帰モデル)、病変数の減少率は71.6%でした。
年間の新規または拡大T2病変数(FAS)
社内資料:国際共同第II相試験(G1301試験)[承認時評価資料]
国際共同第II相試験: APOLITOS試験 コアパート 副次評価項目
年間再発率
日本人を含む再発を伴う多発性硬化症患者において、年間再発率(推定値)は、プラセボ群の0.6286に対し、ケシンプタ群では0.2640であり、ケシンプタ群のプラセボ群に対する年間再発率の比は0.420[95%信頼区間:0.141-1.250]でしたが、2群間で有意差は認められませんでした(p=0.119、対数リンクによる負の二項回帰モデル)。
年間再発率(FAS)
【判定基準】
◎再発:
新たな神経学的な異常の発現、または以前から認められたが安定もしくは軽快していた神経学的異常の悪化(臨床的脱髄イベント)が、前回の臨床的脱髄イベントの発生から30日以上経過後に認められた場合を「再発」と定義した。なお、当該異常は24時間以上持続する必要があり、発熱や感染を伴わない(体温は37.5°C未満)。
◎確定再発:
治療担当医師とは異なるEDSS評価者が評価したEDSSに臨床的に重要な変化、すなわち、利用可能な前回のEDSS評価(再発中のEDSS評価は除く)と比べてEDSS 0.5以上増加、または2種類以上の機能別障害度(FS)が1以上増加、もしくは1種類のFS(膀胱直腸機能および大脳機能を除く)が2以上増加した場合に、「確定再発」として取り扱った。なお、治療担当医師は、被験者の有害事象、MS再発を含む日常の治療を管理し、試験実施の全般を担う者と定義した。
社内資料:国際共同第II相試験(G1301試験)[承認時評価資料]
国際共同第II相試験: APOLITOS試験 コアパート 副次評価項目
初回再発までの期間
日本人を含む再発を伴う多発性硬化症患者において、ケシンプタ群のプラセボ群に対する初回再発の発現ハザード比は0.49[95%信頼区間:0.16-1.48]でしたが、2群間で有意差は認められませんでした(p=0.203、Cox比例ハザードモデル)。
初回再発の発現ハザード比(FAS)
Cox比例ハザードモデル
〔投与群、地域(日本または海外)、ベースラインのGd造影T1病変数(0または1以上)を要因、ベースラインの過去1年間の再発回数、EDSSを共変量とした〕
社内資料:国際共同第II相試験(G1301試験)[承認時評価資料]