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ジレニア処方チェックリスト

ジレニアの投与にあたり、治療を進めていく際にお役立ていただきたいチェックリストです。
以下のチェック項目を1つずつ確認しながら、治療を進めてください。

投与開始前
【警告】の内容を理解した
本剤の処方要件を確認し、電子添文を熟読した
(「進行型多発性硬化症」、「抗アクアポリン(AQP)4抗体陽性例」、「脊髄長大病変」を有する患者に対する本剤の有効性および安全性は確立されていない)
【禁忌】に該当していない
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある
  • 重篤な感染症がある
  • 妊婦または妊娠している可能性がある
  • 生ワクチン※1を接種する
  • クラスⅠa、クラスⅢ抗不整脈剤※2を投与中
【併用禁忌】に該当していない
  • 生ワクチン※1併用
  • クラスⅠa、クラスⅢ抗不整脈剤※2併用
血液検査(血球数算定等)を実施した
肝機能検査(トランスアミナーゼ、ビリルビン等)を実施した
12誘導心電図、心拍数、血圧を測定した
〔対象:水痘または帯状疱疹の既往歴がなく、予防接種を受けていない患者〕
必要に応じてワクチン接種を考慮し、接種する場合はワクチンの効果が十分に得られるまで本剤投与開始を延期する
〔対象:糖尿病の患者、ブドウ膜炎の既往歴のある患者〕※3
眼科学的検査を実施した
〔対象:妊娠可能な女性〕
妊娠検査を実施し、妊娠していないことを確認した
初回投与時
循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で投与を開始した
初回投与開始前、初回投与6時間後まで1時間ごとのバイタルサイン(心拍数、血圧)を測定した
初回投与前および初回投与6時間後に12誘導心電図を測定した
初回投与後24時間は心拍数および血圧の測定に加え、連続的に心電図をモニターした
  • 本剤の投与は、本剤の安全性について十分な知識をもつ医師のもとで行う
  • 本剤投与前には、現在使用中の循環器系薬剤(抗不整脈剤、β遮断薬、カルシウム拮抗薬等)や循環器系の合併症の有無を確認し、電子添文を確認する
  • 副作用発現の場合に備え、直ちに処置できるよう、薬剤などの準備を行う
  • 心拍数は、安静(例えば、坐位にて5分間安静)時に測定する
  • 下記の「帰宅可能基準」をすべて満たした場合に、医師の判断により患者を帰宅させる
  • 徐脈性不整脈に関連する徴候または症状が現れた場合には、適切な処置を行い、少なくともそれらの徴候・症状が消失し、安定化するまで患者を観察する。また、次の投与時(翌日または休薬後再開時)にも心電図をモニターする等、十分な注意、観察を行う
観察期間終了時(24時間が推奨される)に、下記3項目の「帰宅可能基準」がすべて満たされたことを確認した上で、帰宅可能か否かを判断した
  • 帰宅時の心拍数が、投与前の心拍数の80%を超えている(45bpmを超えていることが望ましい)
  • 帰宅時の心拍数が、投与6時間後までに認められた最低値を上回る
  • 帰宅時に、徐脈性不整脈に関連する徴候・症状(浮動性めまい、疲労、動悸等)、および心電図異常所見がみられない(安定している)
投与中
血液検査(血球数算定等)を下記の時期に定期的※4に実施し、リンパ球数(≧200/mm3を確認)や血小板数を測定した
  • 投与開始15日後
  • 1ヵ月後
  • 2ヵ月後
  • 3ヵ月後
  • 6ヵ月後
  • それ以降は3ヵ月ごと
患者に対し、感染症状(発熱、けん怠感等)が現れた場合には直ちに主治医に連絡するよう指導した
〔感染症が疑われる症状が認められた場合〕 本剤の投与中断を考慮し、早期に適切な処置を行う
〔重篤な感染症が認められた場合〕 本剤の投与を中断し、適切な処置を行う
投与開始3~4ヵ月後に眼底検査を含む眼科学的検査を実施した※5
〔患者が視覚障害を訴えた場合〕 眼科学的検査を実施する
〔黄斑浮腫が確認された場合〕 本剤の投与を中断し、適切な処置を行う
〔対象:糖尿病の患者、ブドウ膜炎の既往歴のある患者〕 眼科学的検査を下記の時期に定期的※4に実施する
  • 投与開始1ヵ月後
  • 3ヵ月後
  • 6ヵ月後
  • それ以降は6ヵ月ごと
肝機能検査(トランスアミナーゼ、ビリルビン等)を下記の時期に定期的※4に実施した
  • 投与開始15日後
  • 1ヵ月後
  • 2ヵ月後
  • 3ヵ月後
  • 6ヵ月後
  • それ以降は3ヵ月ごと
〔肝機能障害を疑う臨床症状が現れた場合〕 肝機能検査を実施する
〔肝機能異常が認められた場合〕 本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う
血圧測定を下記の時期に定期的※4に実施した
  • 投与開始15日後
  • 1ヵ月後
  • 2ヵ月後
  • 3ヵ月後
  • 6ヵ月後
  • それ以降は3ヵ月ごと
〔対象:妊娠可能な女性〕 適切な避妊を徹底するよう指導する
投与中止後
リンパ球数が回復するには最長2ヵ月かかる場合があるため、その間は感染症に対し注意を払う
投与中止後概ね24週まで(約6ヵ月間)は、重度の「疾患増悪」に留意する
〔対象:妊娠可能な女性〕 投与中止後2ヵ月間は、適切な避妊を徹底するよう指導する
★  : 本剤の有効性および安全性にかかわる十分な知識を有すること、医療施設の要件の確認、眼科医を含む関連診療科との連携等
※1: 乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等
※2: クラスⅠa抗不整脈剤〔キニジン(硫酸キニジン)、プロカインアミド(アミサリン)等〕、クラスⅢ抗不整脈剤〔アミオダロン(アンカロン)、ソタロール(ソタコール)等〕
※3: 全患者での検査が推奨される
※4: 〔参考〕国内第Ⅱ相試験(6ヵ月)のプロトコールより
※5: 投与開始前と投与開始後3ヵ月以内の検査が推奨される