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アフィニトール

NENの治療

外科治療

神経内分泌腫瘍の唯一の根治的治療法は切除手術です。

NENを経過観察した群と手術を行った群で比較検討した研究では、手術を行った群で長い生命予後が得られたという報告があり、手術適応がある患者には積極的な手術療法が勧められます。しかし、NECでは手術の適応は明らかではありません。

手術の目的

NENにおける手術療法には2つの目的があります。1つは生命予後の改善、もう1つはホルモン症状の緩和です。

生命予後改善のためには、他の癌腫と同じく根治的手術が基本になりますが、転移巣を伴う場合には、内科的・集学的治療を考慮して減量手術が適応となる場合もあります。

ホルモン症状改善についても、根治的手術が困難な場合でも、減量手術によってホルモン症状改善が見込まれる場合には、手術が適応となります。

肝転移・遠隔転移を伴わないNEN

術前診断で肝転移・遠隔転移を伴わないと診断された場合は、手術療法だけで根治出来る可能性があり、積極的な手術適応となりますが、手術が減量手術にとどまった場合は、補助療法の検討が必要となります。

肝転移を伴うNENについて

肝転移巣が大きく、肝不全など全身状態が悪化している場合は、原発巣の切除が生命予後の延長やホルモン症状の改善に寄与しないと判断される場合を除いて、原発巣は切除対象となります。原発巣切除時に肝転移がある場合は、同時切除も考慮します。

肝転移巣の切除範囲は、原発巣同様、手術遺残のない(R0)手術が理想です。完全切除出来ない場合でも、減量手術を行うことで生命予後やホルモン症状の改善が期待される場合は手術適応となります。R0とならない場合の肝切除は、薬物療法や肝局所療法などを組み合わせた集学的治療の一手段としての適応を考慮します。