診断名
特発性多中心性キャッスルマン病
鑑別診断
家族性地中海熱、クリオピリン関連周期熱症候群、成人発症スチル病
検査、原因
理学所見:上肢に一部隆起性の紅斑が散在。腋窩リンパ節の腫脹あり。その他特記事項無し。
検査所見:WBC 8200/μL、Hb 11.2 g/dL、CRP 2.24mg/dL、IgG 2751 mg/dL
アセスメント:
周期性発熱の原因として、関節痛と頭痛を随伴症状として伴う点から、家族性地中海熱(FMF)が鑑別に挙げられた。また蕁麻疹を伴う点からは家族歴は明らかでないものの、クリオピリン関連周期熱症候群の可能性も否定できず、次世代シーケンサを用いた自己炎症疾患遺伝子パネル検査を行った。その結果、MEFV遺伝子エクソン2のL110PとE148Qバリアントがそれぞれヘテロ結合性に検出された。FMF典型例の診断でコルヒチン0.5mg/日の内服を開始したが、CRP値、皮疹、関節痛の改善は軽微であった。血液検査にて高ガンマグロブリン血症、持続性のCRP上昇に加え、頸部から骨盤のCT検査にて腋窩リンパ節腫脹が多発しており、PET-CTにてFDGの淡い集積あり(図2、図3)。腋窩リンパ節生検にて濾胞間に形質細胞のシート状の浸潤があり、特発性多中心性キャッスルマン病の診断に至った。