ノバルティス ファーマの医療関係者向けサイト

症例報告 142 [主訴: 頭頂部の切れ毛]

<症例> 2歳、男児
<主訴> 頭頂部の切れ毛
<家族歴> 特記すべきことなし
<既往歴> 特記すべきことなし
(症例提供) 久留米大学 医学部 皮膚科学教室 准教授 大畑 千佳 先生
(監修) 久留米大学 医学部 皮膚科学教室 主任教授 名嘉眞 武国 先生

解答と解説

A1.診断名

  1. Microsporum canisによる頭部白癬

A2.鑑別診断

  1. 頭部カンジダ症
    脂漏性湿疹
    円形脱毛症

A3.検査、原因、治療

KOH直接鏡検にて、多数の小型胞子が石垣状に毛髪を取り巻く像が見られ(写真2)、Microsporum canisによる毛外性小胞子菌性寄生を想起させた。病変部の鱗屑、毛髪からサブロー培地を用いて行った分離培養にて、表面が羊毛状で黄白色(写真3)、裏面が黄色(写真4)を呈するコロニー形成を認めた。また、スライドカルチャーでは、隔壁のある直線状の菌糸と先端が細く紡錘形で厚い外壁を有する多房性の大分生子を多数認めた(写真5)。これよりMicrosporum canisによる頭部白癬と診断した。イトリコナゾール5mg/kgの3か月間投与で治癒した。

写真2

症例写真2

写真3

症例写真3

写真4

症例写真4

写真5

症例写真5

皮膚科領域

弊社医薬品へのお問い合わせ

MRもしくはノバルティスダイレクトへお問い合わせください。


ノバルティスダイレクト

電話番号 0120-003-293
(通話料無料)
受付時間 月〜金
9:00〜17:30
(祝日及び当社休日を除く)