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症例報告 144 [主訴: 全身に多発する小紅斑]

<症例> 40歳、女性
<主訴> 全身に多発する小紅斑
<家族歴> 特記すべきことなし
<既往歴> 花粉症、アトピー性皮膚炎(小学生時)、皮疹出現前に軽度の感冒症状
(症例提供) 久留米大学 医学部 皮膚科学教室 助教 大畑 千佳 先生
(監修) 久留米大学 医学部 皮膚科学教室 主任教授 名嘉眞 武国 先生

解答と解説

A1.診断名

  • 滴状乾癬

A2.鑑別診断

  • 毛包炎
  • ジベル薔薇色粃糠疹
  • 梅毒2期疹

A3.検査、原因、治療

個疹を詳細に診察したところ、丘疹ではなく角化性の小紅斑が多発していた(写真2)。KOH直接鏡検にて、真菌は同定されず、血液検査で梅毒は陰性であった。皮膚生検では軽度のacanthosisと表皮直下の毛細血管拡張、真皮上層への強いリンパ球浸潤が見られ、好中球を上に乗せるmounds of parakeratosisが正常角層内に多層性に認められた(写真3、4)。これより滴状乾癬と診断した。約1ヶ月間のステロイド外用で略治した。滴状乾癬は扁桃炎や咽頭炎などの感染症を契機に発症し短期間で略治することが多いが、尋常性乾癬の初期症状として生じることもある。

写真2

症例写真2

写真3

症例写真3

写真4

症例写真4

皮膚科領域

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