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症例報告 148 [主訴: 左大腿部の黒色扁平隆起性小局面]

<症例> 85歳、男性
<主訴> 左大腿部の黒色扁平隆起性小局面
<家族歴> 特記すべき事項なし
<既往歴> 高血圧
(症例提供) 鳥取大学医学部附属病院皮膚科 講師 杉田 和成 先生
(監修) 鳥取大学皮膚病態学 教授 山元 修 先生

解答と解説

A1.診断名

  • 脂漏性角化症

A2.鑑別診断

  • 色素性ボーエン病、基底細胞癌、色素性単純性汗腺棘細胞腫(癌)、脂漏性角化症、悪性黒色腫、表皮母斑(幼少期よりあったため)を鑑別に考えた。

A3.検査、原因、治療

確定診断のため、皮膚生検を行った。病理組織学的に、表皮は異型性のない好塩基性有棘細胞の上向性発育により肥厚し、メラニン色素の沈着、偽角質嚢腫がみられた(図2)。孔細胞やクチクラ細胞は認められず、核分裂像も目立たなかった。病理所見から、脂漏性角化症と診断した。本症例の左大腿部の局面は、病歴からは幼小期から存在したとのことではあったが、左右非対称で辺縁不整であったため、当初、皮膚悪性腫瘍を疑った。しかしながら、このような臨床像を呈する特異な脂漏性角化症もある。治療は全切除もしくは液体窒素冷凍凝固を行なう。

写真2

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皮膚科領域

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