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症例報告 159 [主訴: 四肢のびまん性腫脹]

<症例> 69歳、女性
<主訴> 四肢のびまん性腫脹
<既往歴> 特記すべきことなし
<家族歴> 胃癌(父)、大腸癌(母)、肺癌(弟)、橋本病(姉)、バセドウ病(息子)
(症例提供) 岐阜大学大学院皮膚病態学 講師 周 円 先生
(監修) 岐阜大学大学院皮膚病態学 教授 清島 真理子 先生

解答と解説

診断名

  • 好酸球性筋膜炎

鑑別診断

  • 限局性強皮症、全身性強皮症

検査、原因、治療法

  • 激しい運動や外傷を契機に急激に出現する四肢遠位側の対称性のびまん性腫脹と硬化をきたす疾患である。原因は不明であり、血液検査では末梢血好酸球が増多し、アルドラーゼ上昇や高γグロブリン血症を認める。MRIでT2強調画像において筋膜の肥厚と高信号を認め、確定診断には筋膜までの生検が必要である。好酸球浸潤は病初期のみにみられるため必須所見ではない。副腎皮質ステロイド内服が治療の第一選択になる。全身性強皮症とはレイノー症状や手指硬化がないことから鑑別され、限局性強皮症とは本症が急激に発症する点や好酸球増多で異なる。

皮膚科領域

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