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C3腎症とは?

C3腎症(C3G):非常に稀な腎疾患

C3腎症は希少腎疾患であり、
糸球体の炎症と損傷を引き起こします2-5
C3腎症が患者さんの日常に与える影響を学び、その背後にあるメカニズムを理解しましょう。

稀で進行性の腎臓疾患であるC3腎症について理解しましょう2-4

C3腎症の診断

C3腎症の特徴

補体介在性の進行性腎疾患2-4

C3腎症の世界的な年間有病率は100万人あたり1~2人です2

C3腎症の進行がもたらし得る可能性

腎不全4-6

透析の必要性6

移植の必要性6

タイムリーな生検解析

診断には専門医による腎生検が必要です6。C3腎症は他の糸球体腎症との鑑別が難しいため、専門的な検査が必要です6-9

腎生検では、C3の蓄積を示す染色強度は他の免疫グロブリン(IgA、IgM、C1q)と比べて2段階以上高く、免疫グロブリンや補体古典経路の因子はほとんど認められません6,10

タンパク尿、血尿及びeGFR検査の後にC3腎症が疑われる場合は、すみやかに専門医・病理医へ紹介することが重要です6,7,11

eGFR:推算糸球体ろ過量

C3腎症の影響

C3腎症診療の現状

非常に稀な疾患であるC3腎症は、病態が複雑で診断の難しい疾患です。専門医以外では、C3腎症の疾患特性や患者さんの負荷についての知識は限定的です6,7,12
現在承認されている分子標的治療薬は存在せず、既存治療のエビデンスは確立されていません9
患者さんは日常生活や仕事に影響を及ぼす可能性のある身体的、精神的負荷を強いられています7

非常に稀な疾患であるC3腎症は、診断が難しく、既存治療のエビデンスは確立されていません。また、⽇常⽣活に影響が及んで、患者さんに精神的な負荷をもたらします。患者さんは、孤独を感じ、サポートが欲しいと感じるかもしれません7

何ができるか?

この稀な補体介在性疾患では早期診断が非常に重要です。
早期診断によって、健康状態と生活の質を改善できる可能性が高くなります2-4

補体の役割

腎障害の原因となる調節障害

C3腎症では、補体第二経路の活性化を制御できなくなることが疾患の要因であり、腎臓が障害を受けます7,13-15

補体第二経路の活性化により、糸球体メサンギウムとそれに沿う毛細管壁でのC3フラグメントの沈着が起こります。
これにより腎機能が障害され、炎症が引き起こされます13,15,16

補体第二経路の活性化により、膜侵襲複合体(MAC)が生成され、炎症性メディエーターが放出されます14

C3腎症に対しては、慢性糸球体腎炎において腎不全の進行を遅らせるために用いられる非特異的な治療が行われており、C3腎症の要因となる補体経路の異常を標的とした治療法はありません6

補体介在性疾患に対して、補体第二経路のB因子、C3、C5およびその他の因子を標的とした治療の開発が進められています17

References:

1. Nanchen G et al. Swiss Med Wkly. 2020; 150: w20353.

2. Schena FP et al. Int J Mol Sci. 2020; 21(2): 525.

3. Smith RJH et al. J Am Soc Nephrol. 2007; 18(9): 2447-2456.

4. National Organization for Rare Disorders (NORD). C3 glomerulopathy: dense deposit disease and C3 glomerulonephritis. Accessed March 17, 2023. https://rarediseases.org/rare-diseases/c3-glomerulopathy-dense-deposit-disease-and-c3-glomerulonephritis/

5. Medjeral-Thomas NR et al. Clin J Am Soc Nephrol. 2014; 9(1): 46-53.

6. Martin B, Smith RJH. C3 glomerulopathy. In: Adam MP, Mirzaa GM, Pagon RA, et al, eds. GeneReviews® [Internet]. University of Washington; 2007. Updated April 5, 2018. Accessed March 17, 2023. https://www.ncbi.nlm.nih.gov.books/NBK1425/

7. Smith RJH et al. Nat Rev Nephrol. 2019; 15(3): 129-143.

8. Sethi S et al. Kidney Int. 2013; 83(2): 293-299.

9. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Glomerular Diseases Work Group. Kidney Int. 2021; 100(suppl 4): S1-S276.

10. Aryal G et al. J Pathol Nep. 2019; 9: 1571-1579.

11. Hou J et al. Kidney Int. 2014: 85(2): 450-456.

12. Feldman DL et al. Voice of the Patient: Report of Externally Led Patient-Focused Drug Development Meeting on Complement 3 Glomerulopathy (C3G). National Kidney Foundation; 2018

13. Caravaca-Fontán F et al. Nephron. 2020; 144(6): 272-280.

14. Harris CL. Semin Immunopathol. 2018; 40(1): 125-140.

15. Willows J et al. Clin Med (Lond). 2020; 20(2): 156-160.

16. Merle NS et al. Front Immunol. 2015; 6: 257.

17. Zipfel PF et al. Front Immunol. 2019; 10: 2166.

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