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教えて、先生!

Q.血圧はどのように調節されているのですか?

血圧というのは一定に保たれているわけではなく、常に変動しています。例えば、体を動かしているときや頭を働かせているときは高くなり、安静時や睡眠中は低くなります。また、高齢になって血管が硬くなる(ホースが硬くなる)と変動の幅(血圧の上下)も大きくなります。
このような血圧の変動や調節には、様々な物質や体の機能が関係2)しています(図)。

その1つとして多くの人がご存じなのは、食塩(ナトリウム)でしょう。ナトリウムは水を引き寄せる性質があり、摂取すると体液量が増えます。一方、腎臓にはナトリウムを排泄する働きがあるので、この機能によって体液量と血中のナトリウム値は一定に保たれています。
また、緊張すると血圧が上がるように、神経も血圧の調節に関与しています。自律神経の1つである交感神経は、心臓を強く、速く動かすとともに血管を収縮させ、心臓と血管の両面から血圧を高める方向に働きます。
さらに血圧の調節に重要な働きをしているのが「レニン・アンジオテンシン(RA)系」と呼ばれる体の機能です。レニンは腎臓から分泌される物質で、血管を収縮させる作用をもつアンジオテンシンⅡというホルモンを作ります。
このほか、血管の収縮・拡張に働く様々な体内物質(血管作動性物質)や、血管の壁にある筋肉(血管平滑筋)の状態も血圧に影響を及ぼします。

こうした血圧を調節する因子に遺伝素因や生活習慣の乱れなどが加わり、これらの働きが「血圧を高める方向」にシフトすると高血圧が起こります。
高血圧には、原因が特定できるもの(二次性高血圧)もありますが、大部分は原因が特定できず、「本態性高血圧」と呼ばれています。本態性高血圧は“原因が特定できない”というより、むしろ上に述べた“血圧を調節する因子が複雑に絡みあっている状態”と言ったほうがよいでしょう。

日本高血圧学会編. 高血圧診療ステップアップ-高血圧治療ガイドラインを極める-, 2019, p.9より改変

2) 日本高血圧学会編. 高血圧診療ステップアップー高血圧治療ガイドラインを極めるー, 2019, p.9

教えてくださったのは

勝谷医院 院長
大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝治療学特任准教授

勝谷 友宏 先生

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