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教えて、先生!

Q.超高齢社会の日本でこそ、高血圧に取り組む意味を教えてください

超高齢化を達成できたということは、本来、喜ぶべきことです。人間は長く長寿を求めて医療や福祉に取り組んできました。日本は世界に先駆けて長寿社会を実現することに成功したのです。しかし同時に、私たち日本人は別の大きな問題に直面することになりました。
いわゆる“生物としての寿命”と“健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)”の間に10年前後の差ができてしまったのです2)。これは、せっかく長生きしても、晩年の約10年間を障害をかかえたり、「寝たきり」に近い状態で過ごす方が少なくないことを意味します。そのような状態は本人もつらく、家族や周囲の方にも負担が大きいことでしょう。
この差が生じる主な原因は、脳卒中や認知症のほか、加齢に伴うフレイル**や、サルコペニア***による転倒・骨折などですが3)、これらはいずれも高血圧と関係があると考えられます4)。つまり、血圧を管理することは、健康寿命を長く保つことにつながるといえるでしょう。
高血圧の影響は10年、20年のスパンで長年にわたり蓄積されていくものです。そこで、若いうちから「単なる長生きではなく、“健康に”長生きをするために、今の血圧をしっかり管理する」という意識をもっていただくことがとても大切だと思います。

*超高齢社会:高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)が21%を超えた社会
**フレイル:加齢により心身が老い衰えた状態
***サルコペニア:加齢や疾患により,筋肉量が減少すること
2)厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会. 健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料. p.25
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf
3)厚生労働省. 2019年国民生活基礎調査.
4)Sarcopenia prevalence and associated factors among older Chinese population: Findings from the China Health and Retirement Longitudinal Study. PLoS ONE. 2021; 16(3): e0247617.

教えてくださったのは

川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学教授

柏原 直樹 先生

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