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バーチャルde骨髄線維化の鑑別

転移性腫瘍

監修:名古屋第一赤十字病院 病理部 副院長・部長 伊藤 雅文 先生

骨髄に転移する腫瘍は、乳癌、前立腺癌、肺癌が多く、日本では胃癌の頻度も高い。骨融解性病変と(図1)、骨硬化性病変を形成する場合がある(図2)。基本的に、転移性腫瘍は骨融解性で、慢性に経過する転移性病変が線維化、骨硬化を呈するので、比較的経過の長い低悪性度の腫瘍で見られる。

転移は、腫瘍細胞の評価が重要であるが、骨硬化、線維化の高度な症例ではしばしば腫瘍細胞が少なく、免疫染色でかろうじて認識可能な場合がある。PMFの骨硬化病変と鑑別が必要な場合があるが、PMFでは核異型を伴う成熟巨核球の増加を見る場合が多く、転移性腫瘍で見られる線維化部位には巨核球が見られない場合が多い。腫瘍細胞の免疫染色は有用な同定方法である(図3)。

図1.乳癌骨転移

骨髄腔には高度な線維化を伴い、転移性腫瘍を認める。
皮質骨は断片化し、骨融解性病変を形成する。

図2.前立腺癌骨転移

著明な皮質骨増生を呈する転移性骨腫瘍。

図3.前立腺癌骨転移

転移性骨腫瘍では、線維化が主体で腫瘍細胞が少数の場合が多く、免疫染色による腫瘍細胞の確認は有力な方法である。(サイトケラチン免疫染色)

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